作業療法士の年収は低いの?だとしたら理由は?
作業療法士の年収が低すぎる!こんなに低いとは思わなかった…どうすればいいの?
このような悩みを解決します。
結論から言うと、作業療法士の年収は低いです。
全国の求人に記載されている年収を調べると、357万円くらいが平均ですからね。
医療系国家資格のはずなのに、こんなに安いとは思わなかった…なんて絶望している方も少なくないでしょう。
また、作業療法士に後悔する理由と対処法【4年目OTに聞いた】でもまとめていますが、給料が安いだけでなく、増えることもほとんどありません。
ぶっちゃけ、絶望しないほうが無理な状況ともいえますね。
ご安心ください。
作業療法士が年収を増やす方法はちゃんとあります。
本記事では、作業療法士の年収が低い理由と、年収を効率的に増やす方法をまとめました。
作業療法士として将来も生き残る方法が知りたい方や、給料を増やす方法が知りたい方におすすめの記事です。
作業療法士の年収は低い?手取りは?平均年収からOTの現実をチェック
実際に働いている作業療法士の年収は低いのか気になりますよね。
ここでは、作業療法士の平均年収や手取りから、現実を見ていきましょう。
求人サイト大手の求人ボックスによると、作業療法士の平均年収は、357万円となっています。
2023年9月に国税庁が発表した「令和4年分 民間給与実態調査統計」によれば、現在の日本人の平均年収は約458万円なので、大きく下回っていますね。
手取りは平均年収の8割とすれば、作業療法士の平均手取りは約285万円です。
まとめるとこんな感じ。
作業療法士 | 全体 | |
---|---|---|
平均年収 | 357万円 | 458万円 |
手取り | 285万円 | 366万円 |
はい、稼げていませんね…
このように、作業療法士は給料が安いだけでなく増える見込みもないため、「生活できない」「結婚できない」とも言われています。
そう、給料が安いのは若いうちだけではないんですよね…
作業療法士が生き残るためにすべき対策6選【飽和未来で求められるOT】でまとめていますが、作業療法士の給料が上がる見込みはありません。
しかも、将来的には作業療法士の数が削減される見込みです。
数年後は作業療法士として食べていけない人も出てくるというわけです。
このような事実に気づいた人が、行動し始めているのが2023年という年ですね。
今からすべきことについては下記の記事でまとめていますので、参考にしてください。
本当に生活できないのか、結婚も無理なのかについては、下記の記事をどうぞ。
現役の作業療法士や理学療法士といったリハビリ職の方にヒアリングしたので、興味があれば参考にしてください。
作業療法士の年収が低い5つの理由【給料が安い絶望的な背景】
それでは、作業療法士の年収が低い理由はなぜなのでしょうか?
理由は下記の5つが考えられます。
1つずつ解説しますね。
診療報酬で天井が決まっているから
1つ目の理由は、診療報酬で天井が決まっているためです。
天井というのは、作業療法士が稼げる金額のこと。
リハビリは単位ごとに点数が決められているので、どれだけ効率的に働いても時間の壁にあたります。
点数は診療報酬によって決められているため、作業療法士がどれだけ頑張っても、稼げる金額に制限があるというわけです。
制限があるということは、自身の年収の上限も決まっているということであり、年々改悪される診療報酬の影響を受けて、作業療法士の年収も低くなっています。
作業療法士が飽和しているから
作業療法士は飽和しつつあることも、年収が低い理由の1つです。
なぜなら、作業療法士の給料は診療報酬で決まっているから。
一概には言えませんが、作業療法士が増えれば増えるほど給料を受け取る人数が増えるので、一人あたりの年収が下がります。
診療報酬は国家予算であり、事前に決められていますからね。
ちなみに、下記は厚生労働省が平成31年に公開した「理学療法士・作業療法士の需給推計について」から引用したものです。
作業療法士の人数が増え続けることがわかります。
「2019年度 日本作業療法士協会会員統計資料」によると、作業療法士は62,294名います。
ここから、年を越すごとに理学療法士と作業療法士の数が増えていくことがわかりますね。
下記の画像は、PTとOTの需要と供給を表したグラフです
理学療法士と作業療法士どちらも増え続けると、2040年には供給が需要の1.5倍になると見込まれています。
供給過多(飽和)になると、一人あたりの年収が下がるのは当然といえます。
経営上の問題があるから
3つ目の理由が、経営上の理由です。
経営側からすれば、稼げない「リハビリテーション部門」にお金をかけたくありません。
人件費ばかりかかるのに、報酬が少ないですからね。
なぜリハビリがあるのかというと、リハビリテーション部門がないと社会的意義を果たせないためです。
ぶっちゃけ、仕方なくやっているイメージです。
赤字部門に人件費をかけられないため、作業療法士の年収も低くなります。
昇給・昇進がほとんどないから
4つ目の理由が、昇給・昇進がほとんどないためです。
昇給がない理由は、リハビリテーション自体が稼げないため。
稼げない部門に人件費をかけられません。
病院や施設自体が潰れますからね。
昇進がない理由は、役職そのものが少ないためです。
昇給しても、仕事量が1.5倍くらいになるだけで、昇給は数千円のことが多いですよ…
夜勤ができないから
5つ目の理由が、夜勤ができないためです。
看護師や介護士は夜勤がありますが、リハビリ職にはありません。
夜のリハビリが認められていないためです。
看護師の場合、夜勤があれば年収が1.3倍~1.7倍くらいになりますので、この差は大きいですよね。
作業療法士は日勤しかない上に、診療報酬で稼げなくなっているため、年収が低いのです。
作業療法士の年収は低いだけじゃない!「作業療法士はやめとけ」と言われるワケ
作業療法士の年収は低いだけではありません。
給料が上がる見込みもありませんし、作業療法士としてやっていける人も限られてきます。
上記以外にも理由があるので、「作業療法士はやめとけ」なんていわれているんですよ。
下記の事実を知った上で、どうすべきなのか判断してほしいです。
- 仕事量が多いから
- 給料が安いから
- 昇給・昇進がほとんどないから
- サービス残業が多いから
- 学会や研修は「自己研鑽」扱いだから
- 休みにくいから
- プレッシャーが大きいから
- 患者対応が辛いから
- 人間関係が複雑だから
- 飽和しつつあるから
- 技術革新で代替される恐れがあるから
作業療法士はやめとけと言われる理由については、【閲覧注意】作業療法士はやめとけと言われる理由|現役OTの見解は?でまとめています。
より詳しく知りたい方は参考にしてください。
何も考えずに作業療法士を続けることだけは避けたほうが良いと思います。
作業療法士の年収は低い!年収を効率的に増やす方法
ここまでご覧になって、作業療法士はヤバい…と思ったかもしれません。
ご安心ください。
作業療法士の就職は厳しい?OT需要は今後高まる一方ですでもまとめていますが、将来性はちゃんとあります。
そう、「作業療法士」という職種の将来性なら、文句なしであるんです。
20代でも年収500万円くらいなら超えますからね.。
方法と働き方を知らない人が多すぎるだけです。
具体的に、作業療法士が「効率的に」年収を増やすなら、手段は下記の3つです。
- 稼げる職場に転職する
- 副業を始める
- お金の勉強をする
詳細は、作業療法士で年収500万~600万円は簡単?OTが効率的に収入アップする方法でまとめているので参考にしてください。
ネタバレすると、訪問リハビリへの転職で年収は500万円を超えます。
転職なら訪問リハビリ一択ですね。
転職が難しいなら、副業しかありません。
もしくは、一般企業に転職するという方法もあります。
詳細は、作業療法士から一般企業への転職がおすすめな4つの理由を人事が解説でまとめていますが、作業療法士なら一般企業からの需要もあるためです。
作業療法士の知見を生かして働くので、OT免許も無駄になりません。
もちろん、OTが年収を増やす「だけ」なら、上記以外にもたくさんありますよ。
詳細は、次章で解説します。
【人事の意見】作業療法士が年収を上げるなら転職が効率的で勝ち組にもなれる
前章では「効率的に」作業療法士が年収を上げる方法をご紹介しました。
結論、転職が最も効率的でリスクも少ない方法です。
作業療法士として勝ち組になるなら、現状、転職一択でしょう。
給料が増えたのに、残業や休日が減ることもありますからね。
しかし、あくまでも「効率的に」ですね。
他の方法もあるため、ここでご紹介します。
すでにご紹介した方法も混ざっていますが、ご了承下さい。
- 転職を繰り返す
- 貯蓄ではなく投資にする
- 一般企業に転職する
- 副業を始める
- 訪問リハビリ・訪問看護を始める
- 介護老人保健施設の管理職になる
- 大学教授になる
- 公務員理学療法士になる
- 起業する
作業療法士が稼ぐ方法は、この通りたくさんあります。
自分ができそうなことにチャレンジしてくださいね。
詳細は、作業療法士が勝ち組になる9つの方法【賢く稼いで年収500万】でまとめています。
現状維持で行動しないことが最大のリスクです。
求人を探しておくとか、副業について調べるとか、簡単なことから始めましょう!
作業療法士は年収が低い!将来も生き残るために今からすべきこと
作業療法士として収入を増やすことも大事ですが、将来も生き残るためには収入以外の面に目を向ける必要があります。
将来も作業療法士として働ける人は限られてきますからね。
大事なのは、経験とスキルを磨くこと。
「どこにでもいる作業療法士」ではなく、「強みがあるスペシャルな作業療法士」を目指しましょう。
方法は、下記の4つです。
- 認定作業療法士になる
- 協会の活動に積極的に参加する
- 知識・技術の改善を続けて専門スキルを磨く
- 作業療法士以外のスキルを身につける
詳細は、作業療法士が生き残るためにすべき対策6選【飽和未来で求められるOT】で解説しているので、参考にしてください。
作業療法士として生き残るためには、今から動くことをおすすめします。
作業療法士をやめてよかった?年収が低いという理由でやめても大丈夫な理由
作業療法士は、年収が低いという理由でやめても問題ありません。
なぜなら、作業療法士は転職に強いためです。
1つの職場に拘る必要がないんですよね。
今の職場でなければいけない理由がないなら、他の職場を転々とすることもできます。
不満があるなら、早めに転職したほうが合理的です。
スキルアップ機会の損失やモチベーションの低下など、悪影響が出るためですね。
成長しない人材は切られますし、モチベーションの低下は幸福度にも大きく影響します。
また、給料が安い職場で働けば働くほど、本来稼げるはずだったお金を失っているので、時間を無駄にしていることにもなりますよね。
実際に作業療法士をやめた(転職した)人に聞いた作業療法士をやめてよかったことランキング【人事が聞いた】でまとめていますが、給料が理由でやめた人は結構います。
転職するだけで年収が100万円以上増えることもあるので、「作業療法士をやめてよかった」と思うのは当然ですね。
ちなみに、作業療法士1年目の新人さんであってもやめたほうがいいです。
理由は、作業療法士を1年目で辞めたい…やめたほうがいい理由を人事が解説で解説していますが、1年目の場合は「新卒」というカードが有効だから。
早ければ早いほど有利ですので、「まだ1年目だし…」や「とりあえず3年…」なんていう古い常識は無視しましょう。
政府が推進している「働き方改革」が良い例で、現代は自分にあった働き方が推奨されていますからね。
とはいっても、ちゃんと転職できるか不安な方もいるでしょう
結論、作業療法士には需要があるので、転職自体は難しくありません。
条件を絞りすぎれば転職の難易度は上がりますが、条件を緩めればいいだけですからね。
作業療法士の就職事情については、作業療法士の就職は厳しい?OT需要は今後高まる一方ですでまとめているので、よろしければ参考にしてください。
まとめ|作業療法士の年収は低いが、オワコンではない
作業療法士の年収が低い理由と、年収を増やす方法をまとめました。
社会情勢が関わる部分もあるので、どうしようもないと思った方もいるかも知れません。
しかし、個人でできることはたくさんあります。
「どうせ自分なんて…」「頑張っても無駄」なんて思わずに、できることからやりましょう。
ここでがんばれた人だけが、数年後や数十年後に笑っています。
作業療法士自体はオワコンではありませんからね。
将来的には就職しにくくなるかもしれませんが、作業療法士という職がなくなることはないです。
悲観するのではなく、どうすればいいのか、今は何をすべきなのか考えて「行動」したいですね。
今回は以上です。