理学療法士の病院以外の就職先はないの?病院が合わなくて…
理学療法士が病院以外で活躍する方法が知りたい!
このような悩みを解決します。
今回は、理学療法士の病院以外の就職先をご紹介します。
病院以外の選択肢が知りたい理学療法士や、転職を目指している方にぜひ読んでほしいです。
理学療法士の別の道は?資格を活かせる病院以外の就職先一覧
理学療法士の病院以外の就職先は、どのようなところがあるのでしょうか。
日本理学療法士協会によると、理学療法士の病院以外の勤務先は80か所以上あるとされています。
施設 | 会員数 | 施設数 | ||
---|---|---|---|---|
医療施設 | 病院 | 大学病院 | 2,724 | 192 |
総合病院 | 18,106 | 1,255 | ||
老人病院 | 2,183 | 224 | ||
小児病院 | 324 | 52 | ||
一般病院(上記以外)一般病床 | 44,332 | 4,133 | ||
一般病院(上記以外)療養型病床 | 3,305 | 300 | ||
感染症病院 | 1 | 1 | ||
精神科病院 | 147 | 61 | ||
結核病院 | 0 | 0 | ||
ハンセン病院 | 18 | 9 | ||
地域支援病院 | 195 | 29 | ||
その他 | 2,724 | 264 | ||
診療所 | 診療所 | 1,0248 | 3,501 | |
療養型病床群 | 28 | 9 | ||
その他 | 490 | 170 | ||
不明 | その他 | 222 | 124 | |
医療福祉中間施設 | 介護老人保健施設 | 6,369 | 2,432 | |
老人訪問看護ステーション | 1,412 | 707 | ||
老人デイサービス | 246 | 165 | ||
老人デイケア | 120 | 73 | ||
その他 | 309 | 154 | ||
老人福祉施設 | 養護老人ホーム | 250 | 199 | |
特別養護老人ホーム | 546 | 461 | ||
軽費老人ホーム | 9 | 7 | ||
老人デイサービス | 929 | 731 | ||
老人福祉センター | 43 | 15 | ||
老人短期入所施設 | 27 | 18 | ||
有料老人ホーム | 75 | 70 | ||
介護付き有料老人ホーム | 90 | 82 | ||
在宅介護支援センター | 10 | 9 | ||
高齢者総合相談センター | 0 | 0 | ||
その他 | 239 | 143 | ||
介護保険法関連施設 | 地域包括支援センター | 777 | 476 | |
身体障害者福祉施設 | 身体障害者更生養護施設 | 肢体不自由者更生施設 | 9 | 5 |
重度身体障害者更生養護施設 | 2 | 2 | ||
重度障害者授産施設 | 5 | 3 | ||
身体障害者療護施設 | 132 | 101 | ||
重度身体障害者授産施設 | 9 | 9 | ||
身体障害者福祉センター | 身体障害者福祉センター A型 | 28 | 24 | |
身体障害者福祉センター B型 | 3 | 2 | ||
在宅障害者デイ・サービス施設 | 4 | 3 | ||
身体障害者更生相談所 | 15 | 12 | ||
児童福祉施設 | 知的障害児施設 | 23 | 21 | |
知的障害児通園施設 | 58 | 44 | ||
肢体不自由児施設 | 肢体不自由児施設 | 245 | 59 | |
肢体不自由児童通園施設 | 92 | 34 | ||
肢体不自由児童療護施設 | 3 | 1 | ||
重症心身障害児施設 | 358 | 123 | ||
情緒障害児短期治療施設 | 0 | 0 | ||
児童相談所 | 2 | 2 | ||
心身障害児総合通園センター | 56 | 42 | ||
精神障害者社会復帰施設 | 精神障害者生活訓練施設 | 精神障害者生活訓練施設 | 2 | 2 |
精神障害者授産施設 | 0 | 0 | ||
精神障害者地域生活支援センター | 0 | 0 | ||
精神保健福祉センター | 0 | 0 | ||
精神障害者社会復帰促進センター | 0 | 0 | ||
精神障害者グループホーム | 2 | 2 | ||
精神障害者小規模作業所 | 0 | 0 | ||
知的障害者福祉施設 | 知的障害援護施設 | 知的障害者更生施設 | 10 | 10 |
知的障害者授産施設 | 1 | 1 | ||
知的障害者更生相談所 | 0 | 0 | ||
障害者自立支援施設 | 指定障害者福祉サービス事業所 | 生活介護支援事業所 | 20 | 17 |
自立訓練(機能訓練)事業所 | 12 | 8 | ||
多機能型事業所 | 28 | 20 | ||
指定障害者支援事業所 | 生活介護支援事業所 | 21 | 18 | |
自立訓練(機能訓練)支援事業所 | 10 | 7 | ||
指定相談支援事業所 | 10 | 7 | ||
指定地域活動支援センター | 13 | 6 | ||
教育・研究施設 | 特別支援学校 | 肢体不自由児 | 27 | 21 |
知的障害児 | 2 | 2 | ||
その他 | 23 | 20 | ||
教育・研究施設 | 理学療法3年制専門学校教員 | 631 | 88 | |
理学療法4年制専門学校教員 | 493 | 71 | ||
理学療法短期大学教員 | 36 | 4 | ||
理学療法大学教員 | 1,409 | 135 | ||
理学療法以外の大学教員 | 79 | 69 | ||
研究施設 | 135 | 68 | ||
その他 | 40 | 30 | ||
行政関係施設 | 行政 | 保健所 | 24 | 19 |
市町村保健センター | 41 | 33 | ||
国 | 5 | 5 | ||
都道府県 | 11 | 9 | ||
市 | 127 | 102 | ||
町 | 19 | 17 | ||
村 | 5 | 5 | ||
社会福祉協議会 | 15 | 13 | ||
身体障害者福祉協議会 | 0 | 0 | ||
その他 | 124 | 92 | ||
健康産業 | スポーツ関係施設 | 58 | 43 | |
フィットネス施設 | 51 | 41 | ||
その他 | 職業センター | 33 | 28 | |
リハ関連企業 | 210 | 122 | ||
一般企業 | 160 | 90 | ||
補装具作成施設 | 1 | 1 | ||
訪問看護ステーション (老人訪問看護ステーション) | 2,262 | 1,336 | ||
介護サービス企業 | 361 | 238 | ||
自営・開業 | 168 | 123 | ||
自宅 (勤務しているが自宅会員登録) | 10 | 6 | ||
休業中 (会員だが休業しているもの) | 0 | 0 | ||
その他 | 542 | 314 | ||
海外 | 0 | 0 | ||
不明 | 135 | 104 | ||
海外 | 110 | - | ||
自宅 | 28,115 | - | ||
合計 | 133,133 | 19,900 |
上記を見ればわかる通り、理学療法士の病院以外の就職先はたくさんあります。
わかりにくいと思うので、人数が多い就職先を抜粋します。
施設名 | 会員数 | 施設数 |
---|---|---|
介護老人保健施設 | 6,369 | 2,432 |
老人デイサービス | 929 | 731 |
老人訪問看護ステーション | 1,412 | 707 |
訪問看護ステーション (老人訪問看護ステーション) | 2,262 | 1,336 |
診療所 | 1,0248 | 3,501 |
理学療法3年制専門学校教員 | 631 | 88 |
理学療法4年制専門学校教員 | 493 | 71 |
理学療法大学教員 | 1,409 | 135 |
つまり、
- 診療所
- 介護老人保健施設
- (老人)訪問看護ステーション
- 大学教員
- 専門学校教員
上記が理学療法士の病院以外の就職先として特に多いことがわかりました。
僕が病院で人事をしてた時は、実際に上記の機関へ転職した人も何人かいました。
理学療法士の別の道!病院以外の勤務先の実例7選【セカンドキャリアにおすすめ】
理学療法士の病院以外の勤務先を、ザックリ解説します。
診療所(クリニック)
診療所・クリニックで理学療法士は働けます。
整形外科以外では、脳神経外科や循環器など。
病院のように単位に追われることもないので、比較的ゆったり仕事に取り組めます。
介護老人保健施設
介護老人保健施設での理学療法士の役割は、在宅復帰です。
患者さんのリハビリをして、在宅復帰できるように支援します。
ケアマネジャーや介護士と連携することが多いでしょう。
高齢化が進む日本において、ますます需要が高まる施設の1つといえます。
(老人)訪問看護ステーション
訪問看護ステーションでも理学療法士は働けます。
病院と違い、患者さんの家に出向いてリハビリをする点が特徴。
患者さんに合わせているため、土日休みの職場場が多いとされています。
大学教員
理学療法士は大学教員になることもできます。
学生への指導がメインですが、研究成果を上げる必要もでてきます。
臨床に出る機会は少なくなるので、スキルは徐々に衰えるかもしれません。
しかし収入も大幅にアップするので、チャレンジするのもいいでしょう。
専門学校教員
理学療法士は専門学校の教員にもなれます。
やることは大学教員とほぼ変わりませんが、研究成果を求められない分ストレスは少なめです。
収入はそれほど多くありませんが、。
収入はそれほど多くありませんが、教えることが好きといった人に向いているでしょう。
フィットネス施設
スポーツジムなどでも理学療法士は働けます。
やることは、入会者の指導がメインです。
身長や体重・日々の運動量などから適切なメニューを作成することもあります。
スポーツ分野に深くかかわるため、選手専属の理学療法士を目指している方に向いています。
一般企業
理学療法士は一般企業に勤めることもできます。
しかも
- 資格を活かした仕事
- 資格とは関係ない仕事
このような選択肢があります。
資格を活かせるのは、医療機器メーカーなど、限られた職種。
もちろん、資格に関係ない一般企業でも働けるので、選択肢がグッと広がります。
詳細は以下の記事でまとめています。
病院以外で働く理学療法士の割合は「44.4%」
具体的には、どれくらいの理学療法士が病院以外で働いているのでしょうか?
前章では、理学療法士の全体人数は133,133名で、そのうち病院で勤務している人は74,059名とわかりました。
割合にすると、約55.6%もの理学療法士が病院で働いていることになります。
つまり、病院以外で勤務している理学療法士の割合は残りの44.4%です。
理学療法士の勤務先は、病院だけで半数以上の割合を占めていることがわかりましたね。
そして、理学療法士の病院以外の勤務先で多いのが
- 診療所
- 介護老人保健施設
- 訪問看護ステーション
- 大学教員
主に上記の機関です。
病院勤務の理学療法士は全体の55.6%いるという事実に驚きですね。
実際に理学療法士を辞めた人については、理学療法士をやめてよかった理由と後悔したことを聞いてみた【退職検討者必見】を参考にしてください。
理学療法士の資格を活かして病院以外の就職先で働くメリット
理学療法士が病院以外の勤務先で働くメリットは下記の4つです。
単位のノルマがない
病院とは違い、リハビリの単位に追われません。
なぜならリハビリがメインの収益源ではなくなるためです。
勤務先によって異なりますが、病院だと上司や医師から無理にでもリハビリをするように言われることがあります。
その点、病院以外ならばノルマもないため、心理的にも余裕ができます。
サービス残業をしなくていい
理学療法士といえば、サービス残業を思い浮かべる人もいるでしょう。
それほど、病院勤務の理学療法士にとってサービス残業は浸透しています。
病院以外ならば、勉強会や症例発表、雑務などの時間を奪われる業務が少ないです。
そのため、サービス残業から解放されることが多いといえるでしょう。
勉強会や症例発表がない
病院で働くと、半強制参加の勉強会や症例発表があります。
病院以外ならばそのようなものにかかわる必要自体がありません。
本来の業務だけをしていればよいので、無駄な時間もストレスもかからないでしょう。
幅広い経験を積める
病院以外では働くことで、総合的な知識と経験が身につきます。
様々な職種の方や患者さん出会い、働き方も多岐にわたるためです。
病院にいると凝り固まった働き方しかできません。
しかし、病院以外ならば柔軟に対応できるようになり、キャリアアップできるでしょう。
理学療法士の資格を活かして病院以外の就職先で働くデメリット
理学療法士が病院以外で働くにはデメリットもあります。
求人は多くない
病院以外の求人は基本的に多くないです。
希望の就職先を「病院以外」にすれば、そこそこの求人はありますが、絞ると見つかりにくいかもしれません。
「ここで働きたい!」と思っても、そもそもの求人数が少なかったり、求人そのものがないこともよくあります。
好条件の求人に関しては、出てもすぐ埋まってしまうため、定期的にチェックしましょう。
人間関係が狭い
病院以外だと、人間関係が狭いことが多いです。
従業員が少ないことが多く、関わる人間が限られるからですね。
病院だと従業員数が多いので関わりたくない人は避けることができます。
しかし、病院以外で小さな勤務先となると、もし人間関係が拗れてしまった場合でも苦手な人を避けることは少し難しいでしょう。
受け流す能力が求められます。
理学療法士が病院以外で就職・転職する流れ
理学療法士が病院以外で就職・転職するときの流れは以下の通りです。
普通に就職・転職するときと、基本的には同じですね。
- 転職エージェントに登録する
- 転職エージェントで、気になる求人を見つける
- 転職エージェントに気になった求人を連絡する
- 転職エージェントを経由して、推薦状付きで応募する
- 面接
- 内定
転職は、基本的に転職エージェントがやってくれるので、待ちの姿勢でも転職できます。
最初に、
- 勤務先
- 年収
- 福利厚生
などの希望条件を伝えて放置しておけば、転職エージェントが求人をピックアップしてくれます。
働きながらの転職ができるので、忙しい方でも転職しやすいでしょう。
ポイントは、複数の転職エージェントに登録すること。
転職エージェントといっても、エージェントごとに相性や強いが異なるからです。
- 地域ごとの強み
- 提案できる非公開求人
- 年収交渉力
- 担当との相性
これらは転職エージェントによって異なる項目です。
転職エージェントごとに強みや弱みが違うので、複数のエージェントを使い分けることが必須になります。
転職エージェントの料金は完全無料なので、使えば使うほどお得ですし、転職成功率も高まるはず。
詳しい転職のやり方の詳細や注意点は、リハビリ転職エージェント・サイトおすすめ5選【32社を徹底比較】で解説しています。
まとめ:理学療法士の別の道は多い!資格を活かせる仕事はたくさんある
理学療法士の病院以外の勤務先というテーマでまとめました。
おさらいしておくと、病院以外で働いている理学療法士は全体の44.4%です。
逆に言えば、病院で働いている理学療法士が半数以上ということ。
一度病院で働いてしまうと、転職先の候補が「病院だけ」になりがちです。
しかし、実際には病院以外の就職先が半数近くあるので、病院以外も視野に入れて転職したほうがよいでしょう。
現実的に、病院が合わない理学療法士はたくさんいますし、僕も人事としてそのような人たちをたくさん見てきました。
理学療法士が辛い、大変、やめたい…と思ったときこそ、理学療法士として病院以外の就職先で働けるということを思い出してほしいです。
辛い環境から逃げるのは当たり前ですし、きついなら逃げないと心身を壊すだけ。
働きやすい環境に身を置きましょう。