リハビリ職(PT/OT/ST)を辞めたいです…辞めてもいいのかな…
リハビリ職(PT/OT/ST)を辞めた後はどうすればいい?辞めても転職できるかな…
リハビリ職(PT/OT/ST)が辛いです…辞めたくても辞められない時の対処法が知りたい…
このような悩みを解決します。
- リハビリ職(PT/OT/ST)を辞めても大丈夫?
- リハビリ職を辞めたくなる理由
- リハビリ職を辞めた後の就職先12例
- リハビリ職は一般企業に転職することもできる
- リハビリ職が辛いけど辞められない時の対処法
リハビリ職(理学療法士・作業療法士・言語聴覚士)は激務でしがらみも多いので、辞めたいと思うのは無理ないです。
本記事では、リハビリ職(PT/OT/ST)が辞めたいと思ったら辞めてもいいのか、辞めた後はどうなるのか解説します。
リハビリ職が辞めたくなる理由とともに、リハビリ職を辞めた後の転職先を12例ご紹介しますね。
1.リハビリ職を辞めたい…辞めてもいいの?辞めた後は大丈夫?
「リハビリ職(PT/OT/ST)を辞めたいけど、辞めちゃっていいのかな…せっかく資格も取ったのに、仕事が辛くて給料は安いし、上司は怖いし…」
筆者は回復期病院で人事をしていましたが、上記のような相談を毎月受けていました。
結論からいうと、リハビリ職(PT/OT/ST)を辞めたいならやめたほうがいいです。辞めても全然大丈夫ですよ。
リハビリ職を辞めても大丈夫と言える理由は、リハビリ職は転職に強くて出戻りもしやすい職種だからです。
また、リハビリ職そのものにあなたが向いていない可能性が高いので、一回辞めてしまったほうが適性の有無がわかります。
リハビリ職の業務内容が向いていなくて辛いなら、一般企業に転職することもできますよ。
リハビリ職(PT/OT/ST)の方に限って資格の強さを自覚していませんが、人事からすれば羨ましいくらいの強さですよ。
気になるのは、リハビリ職を辞めた後のことですよね。
辞めた後についても心配は不要です。
なぜなら、リハビリ職はどこに住んでいても求人があり、数年のブランクがあっても出戻りできるから。
退職後すぐに転職したい場合は、早ければ1週間で転職先が見つかるでしょう。
また、ブランクが数年あっても出戻りはできます。
筆者が採用をしていたのは200床程度の回復期病院でしたが、3年以内のブランクなら余裕で採用していましたね。
一般企業から出戻り希望の、ブランクが5年以上あるリハビリ職にも内定を出したことがあるので、5年程度なら出戻りはできるでしょう。
リハビリ職は転職先を見つけることに苦労しないので、現職をやめたいならやめても大丈夫ですよ。
2.リハビリ職を辞めたいと思う6つの原因
リハビリ職は医療系国家資格なので、3~4年間学校に通い、資格を取得しなければなれない職種です。
それでもリハビリ職を辞めたいと思うのはそれなりの理由があるので、人事として見た実例を6つご紹介します。
1つずつ解説しますね。
2-1.給料が安い
2024年10月時点の求人ボックスの情報によると、リハビリ職(PT/OT/ST)の平均年収は、
理学療法士 | 平均年収364万円 |
---|---|
作業療法士 | 平均年収357万円 |
言語聴覚士 | 平均年収364万円 |
となっています。
2021年9月に国税庁が発表した「令和4年分 民間給与実態調査統計」によれば、現在の日本人の平均年収は約458万円なので、リハビリ職の平均年収はいずれも大きく下回っていますね。
理学療法士平均年収
作業療法士平均年収
言語聴覚士平均年収
地方と首都圏では月給に10万円以上の差が見られるケースもあるので、平均年収を下回っているリハビリ職は少なくありません。
また、リハビリ職の給料は診療報酬による部分が大きいので、医療費がひっ迫している日本では、リハビリ職の給料が高くなる可能性は低いと言えます。
2-2.人間関係が悪い
リハビリ職の人間関係は複雑です。
完全な年功序列制度であり、上司のいうことは絶対で反論すれば怒鳴られることなんてざらにあります。
- 「上司に相談できません。相談しても無視されるし、怖くてそもそも話しかけられないです…」
- 「相談できる人が誰もいないので辛いです。休憩室はピリピリしているので避けています」
上記のような相談をしてくる1年目の新人は毎年いました。
悩みがあっても相談できず、一人で抱え込んでやるしかない。
こんな人間関係の職場にいたら、辞めたくなるのも無理ないでしょう。
2-3.業務量が多すぎる
リハビリ職の業務量は、1年目の新人から多いです。
経験を積めば積むほど業務量と責任が増えていくのに、給料は増えません。
- 委員会参加
- 外部との打ち合わせ
- 症例発表の指導・参加
- 後輩の指導
- 実習生の面倒
例えば、上記のような業務が追加されていきます。
1年目はリハビリとカルテ記入がメインですが、1年経つごとに業務が増えていくと思ってください。
給料と業務量が釣り合っていないせいで、リハビリ職(PT/OT/ST)を辞めようと決心するスタッフは珍しくありません。
2-4.ノルマに追われるリハビリ
経験年数を重ねるにつれて、業務量が増えるという話をしました。
その結果どうなるのかというと、リハビリ職の使命である「リハビリ」が「ノルマ」に代わります。
業務量が増えすぎたせいで患者さんの回復をするより、「単位」をこなすことが優先されるようになるということです。
「ノルマのためにリハビリをしなければならない。だけど他の業務もしないといけない。リハビリの時間を短縮するしかない…」
という流れです。
リハビリ職の闇ですが、20分1単位といっても15分や10分で回すことができてしまうんですよね。
「思い描いていた職場じゃない」という理由で辞めるリハビリ職は毎年数名いました。
2-5.やりたいことができない
前章でお伝えした通り、多すぎる業務量はノルマとなり、ノルマを課されたせいでリハビリ職としてやりたいことができなくなります。
「患者さんと向き合って回復の手伝いをし、笑顔で送り出すことがやりがいでしたが、ここでは無理なので辞めます。」
このような理由で退職希望を出すリハビリ職の方を引き止めることはできません。
明確な目的があってリハビリ職(PT/OT/ST)を続けたい方は、現職でやれなければすぐに転職することをおすすめします。
2-6.休みがとれない
休みを取りにくいので、リハビリ職を辞めたいという人もいます。
子供ができて育児に励みたい方や、家族の介護が必要な方にとって「休みやすさ」は職場選びで重要なポイントだからです。
リハビリ職の場合、1日休むだけでも、
- 「申し送り」を作成する手間がある
- 代わってもらうために説明が必要
- 上司に細かく理由を言わなければならない
という3つの壁を突破する必要があります。
職場によって違うかもしれませんが、1日休みたいだけなのに、かなりの手間と時間がかかるんですよね。
有給申請が心理的な負担となり、リハビリ職を辞めるというわけです。
3.リハビリ職を辞めたい…働ける職場の候補12例
リハビリ職を辞めた後、どんな職場で働けるのか気になると思います。
本章では、リハビリ職(PT/OT/ST)が働ける職場を12例ご紹介しますね。
1つずつサクッと解説していきます。
3-1.急性期病院
急性期病院は重症患者は急性疾患の患者を扱う病院です。
リハビリ職は、入院後1ヶ月程度の患者さんのリハビリが仕事になります。
回復期との違いは、医師とのかかわりが密接であることです。
回復期だと少し指示が出て終わりの場合がありますが、急性期では目を離せない患者が多いためですね。
ただし、回復期病院よりも激務で勉強会の頻度も高い傾向にあります。
3-2.回復期病院
回復期病院は急性期とは違い、比較的安定した状態の患者をリハビリします。
命にかかわる患者はいないものの、普段の生活に早く戻れるようにリハビリするので楽ではありません。
医師と関わる機会は急性期ほど多くなく、上司と相談いて計画を立てるケースが多いです。
3-3.維持期病院
維持期病院では、急性期・回復期を経た患者のリハビリがメインになります。
在宅で生活できるレベルにするためのリハビリなので、一人の患者と関わる時間は長い傾向です。
一人一人とじっくり向き合い、やりがいがあるリハビリ職にしたい方にはおすすめの職場でしょう。
訪問リハビリステーションが併設している場合もあります。
3-4.総合病院
総合病院では、急性期~維持期の患者さんのリハビリをします。
総合病院ならば幅広く経験を積めるので、早くスキルアップしたい方に向いていますね。
基本的に激務で学会参加や勉強会も多いので、若手はすぐに辞める場合が多いです。
3-5.精神科病院
精神科病院では、リハビリ職(PT/OT/ST)の役割が少し特殊です。
理学療法士・作業療法士・言語聴覚士すべてが揃っている病院もあれば、作業療法士しかいない病院もあります。
患者さんの心のケアがメインになるので、一人の患者さんと長く付き合う点が特徴です。
3-6.特別養護老人ホーム
特別養護老人ホームは、自宅で生活することが困難になった高齢者が入居する施設です。
ベッドで1日を過ごす高齢者がほとんどなので、リハビリを提供する機会は多くありません。
スキルアップが目的なら適していませんが、終末期まで見届けたいリハビリ職には向いているでしょう。
3-7.有料老人ホーム
有料老人ホームは、高齢者の生活を「サポートする」施設です。
ある程度の生活は独りでできるものの、多少の補助が必要な高齢者が入居しているので、患者ではなく「お客さま」と接するイメージになります。
必要に応じてリハビリは提供しますが、ほとんどありません。
3-8.介護老人保健施設
介護老人保健施設とは、病気やけがで長期入院していた患者(高齢者)が入所する施設です。
原則3ヶ月の期間で、自宅復帰を目的とした機能訓練を行います。
入所する患者は回復期や維持期で回復しきれなかった人がほとんどなため、より実践的で一人一人に適した計画を作成し、リハビリを提供するのが特徴です。
3-9.デイサービス
デイサービスは、通所型の介護施設として高齢者の入浴や食事、機能訓練などのサポートをします。
近年は機能訓練に力を入れているデイサービスが増えており、「機能訓練員」としてリハビリ職(PT/OT/ST)が採用されるケースが多いです。
高齢者とその家族に合わせたサービスなので、土日休みがとりやすくプライベートとの両立がしやすい点が特徴と言えます。
3-10.訪問リハビリテーション
訪問リハビリテーションは、要介護(1~5)認定を受けた方の自宅に行き、リハビリをします。
主治医の指示を受けて患者さんのもとへ向かい、リハビリや診療補助の提供がメインです。
インセンティブ(1件4000円など)がついて給料が高めなので、リハビリ職にとっては稼ぎやすいでしょう。
近年は訪問リハビリ事業を始めるリハビリ職(PT/OT/ST)の方が多く、需要が見込まれる分野でもあります。
3-11.整形外科クリニック
整形外科クリニックでは、医師の指示をもとにリハビリを提供することが業務です。
病院の縮小版というイメージですね。
クリニックによっては特定の疾患や部位に特化しているので、ある分野でスペシャリストになりたいリハビリ職に適した職場です。
3-12.ジムトレーナー
ジムでトレーナーとして勤務し、お客様の食事サポートやトレーニング計画を立てることがメイン業務です。
給料は病院より低い傾向ですが、働きやすく安いやすいという特徴があります。
仕事よりプライベート重視の方におすすめです。
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料金は無料です。
もっと詳しく知りたい方は、リハビリ職におすすめ転職エージェント・サイト5選!32社から人事目線で比較を参考にしてください。
4.リハビリ職を辞めたいなら一般企業に転職することもできる
前章では、リハビリ職(PT/OT/ST)を継続するけど、職場を変えるという前提でお話ししました。
ここでは、リハビリ職には一般企業に転職するという道があることをお伝えします。
リハビリ職が一般企業で働けるの?と思ったかもしれませんが、余裕で働けますよ。
理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の資格者優遇がある一般企業もあるほどですからね。
資格を活かせないIT系に転職するリハビリ職もいましたが、それでも給料はよくなっていました。
詳細は以下の3記事でまとめているので、参考にしてください。
5.リハビリ職を辞めたいけど辞められない…辛い時のメンタル安定法3選
「リハビリ職を辞めたい…だけど事情があって辞められないんです…」という方もいますよね。
本章では、リハビリ職を辞めたいけど辞められない時のメンタルケア法を3つご紹介します。
筆者はパワハラされて不安障害になったことがあるのですが、復活した経験を踏まえて解説しますね。
5-1.深呼吸する
仕事中にできるメンタルケアとしては、深呼吸がおすすめです。
深呼吸には副交感神経を優位にしてリラックスさせる効果があります。
時間や場所を問わず、人に見られても影響がないので、「あれ?なんかヤバいかも…」と思ったらすぐに深呼吸に意識を向けてください。
やり方は簡単です。
- 口から空気を吐き、お腹をへこませる
- 7秒を目安に鼻から息を吸う
- 7秒を目安に口から吐く
これを3回繰り返しましょう。
心が落ち着けばOKです。
ちなみに、セルフハグも即効性があるのでおすすめですよ
セルフハグは、左手で右肩を、右手で左肩をつかみ、自分で自分をハグするメンタル安定法です。
科学的にも立証されているケア法なので、深呼吸と合わせて活用してください。
5-2.筋トレ・有酸素運動をする
筋トレと有酸素運動もメンタルケアに効果があります。
うつ病は運動(筋トレ)と日光浴で治ると言われるほどなので、普段の生活から運動を取り入れましょう。
筋トレはスクワットや腕立て伏せなど、息切れするレベルで追い込めるものがよいです。
メンタルケアに必要なテストステロンなドーパミン分泌が促進されるので、メンタルのヤバさを自覚したら筋トレで追い込みましょう。
たいていの場合は、それだけで改善されます。
有酸素運動に関しては、散歩を20分~30分する程度で十分です。
この際、日光を浴びることでより大きな効果を発揮します。
冬は危険です。日照時間が短く、気分を調整するセロトニンというホルモンの分泌が減りやすい。「過眠」「過食」「体重増加」「気力減退」「倦怠感」「イライラ」等は“冬季うつ”のサイン。朝は辛いけど、早めに起床。日光浴びて。朝食は野菜多めのお味噌汁。通勤通学はちょい早歩き。習慣が心を守ります
※X(Twitter)より引用
5-3.よく眠る
メンタルが不安定な時こそ、よく眠りましょう。
睡眠が続くと、イライラしやすくなるのですぐにわかります。
1日最低7時間眠るようにすればメンタルケアはできるので、8時間を目標に眠るようにしましょう。
眠れなくて悩んでいる方は、日光浴と運動が足りていないことが原因です。
筆者が不安障害を克服した時は、
- 日光浴(30分)
- 散歩(30分)
- 筋トレ(20分)
- 睡眠(8時間)
を日課にしていました。
参考にしてください。
まとめ|リハビリ転職を辞めたい…大事なのは自分に合った職場を選ぶこと
リハビリ職(PT/OT/ST)には、転職しやすいという強みがあります。
現職を辞めてリハビリ職を続けることも、リハビリ職そのものを辞めてもいいことはお伝えした通りです。
重要なのは自分に合った職場を選ぶことであり、職種ではありません。
今いる職場のせいで「リハビリ職は合わない…辞めたい」と思っても、職場を変えただけで「リハビリが適している!」と改める方は多く見られます。
例えば、どんどんリハビリしてスキルアップしたいのに特別養護老人ホームにいては、リハビリの機会が少なくて不満がでますよね。
急性期や回復期病院に移ればリハビリ三昧になるので、悩みが解消されるでしょう。
職場選びのポイントは、「自分がどんな風に働きたいのか明確にすること」です。
職場と自分の希望にミスマッチが生じるのは、自分の働き方を明確にしていなかったケースが多く見られます。
転職を成功させるなら、自分の希望をはっきりさせることと、求人以上の情報を手に入れることが重要です。
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今回は以上です。