言語聴覚士は生活できないって言われている理由はなに?将来性はないの?
このまま言語聴覚士として生きていくにはどうすればいい?
このような悩みを解決します。
「言語聴覚士は生活できない」なんて言われると、不安になります。
将来も食べていけるのか気になるのは当然だと思います。
結論、言語聴覚士として生活できない人がチラホラ出てきてもおかしくない状況です。
言語聴覚士はやめとけ?STの現実と本音からやめたほうがいい理由を解説でも解説していますが、診療報酬制度の影響で昇給がほとんど見込めないためです。
業務量と責任ばかり増えるのに、給料が上がらないなんてやっていられません。
物価高と増税もあります。
このような理由で「言語聴覚士は生活できないからやめとけ」なんていわれています。
ただ、厳しい状況に置かれている言語聴覚士であっても年収500万円~600万円ほど稼げる方法があるので、本記事でご紹介します。
子育て中でお金のやりくりに苦戦していたり、将来が不安な方はぜひ最後までお付き合いください。
「言語聴覚士は生活できない」なんて不安をものともせず、安定した生活を送れる方法がわかるでしょう。
言語聴覚士は生活できないと言われる3つの理由
言語聴覚士は生活できないと言われる理由は、下記の3つです。
作業療法士と理学療法士も、同じ理由で生活できないと言われています。
給料が上がらないから
言語聴覚士は生活できないと言われる最大の理由が、給料が上がらないためです。
言語聴覚士の給料は診療報酬によって決まっています。
診療報酬は2年に1回改定されますが、どんどん改悪されています。
医療機関に収入として入るお金自体が減らされているので、スタッフであるSTの給料も減らさざるを得ないのです。
他にも言語聴覚士の給料が上がらない理由がありますが、言語聴覚士の給料が安い5つの理由【STはやめとけの根拠を暴露】でまとめているので参考にしてください。
求人ボックス(ST平均年収)によると、言語聴覚士全体の平均年収が353万円となっています。
2023年9月に国税庁が発表した「令和4年分 民間給与実態調査統計」によれば、現在の日本人の平均年収は約458万円なので、大きく下回っています。
給料がもともと安いのに、上がることもありません。
そのうえ、税金や物価は上がっていきます。
これでは、生活が厳しいのは当然です。
子育てもきついですし、マイホームもキツイ、どうやって生活すればいいの?というわけで、言語聴覚士は生活できないといわれています。
退職金が少ないから
言語聴覚士は生活できないと言われる2つ目の理由が、退職金の少なさにあります。
下記の表をご覧ください。
医療・福祉分野の退職金を年齢別でまとめたものです。
言語聴覚士の退職金は、勤続35年でも450万円程度しか出ないことがわかります。
リハビリ職の退職金は、勤続年数1年に対して、平均8万円~9万円ほどといわれています。
一般的な中小企業で30年勤続した場合の退職金は700万~1000万程度といわれているので、2倍~3倍の差があります。
老後は年金と退職金が頼りなのに、あまりに少なすぎると思いませんか?
病院勤務の場合は、もっと少ない傾向です。
言語聴覚士の病院以外の就職先は?STの資格を活かした仕事一覧で解説していますが、70%ほどの言語聴覚士は病院で働いています。
つまり、言語聴覚士のほとんどが、少ない退職金しかもらえないということです。
現状、満足できるほどの給料を受け取っていますか?
納得できる働き方をしていますか?
答えがNoなら、このまま同じ職場で言語聴覚士として働くべきなのか、考えたほうがよいでしょう。
老後の生活ができないから
言語聴覚士は生活できないと言われる理由の3つ目が、老後の生活ができないためです。
生活できないというのは、下記の2つが根拠にあります。
- 退職金の少なさ
- 再雇用のされにくさ
退職金については、前項で話した通りです。
問題なのは、2つ目の「再雇用のされにくさ」です。
リハビリ職の雇用は若手や新卒が優先されるので、定年退職後に再雇用されにくいのです。
最近は、シルバー人材の再雇用や65歳までの延長も一般的になってきています。
社会の流れに乗っていると言えます。
「なら大丈夫じゃん!」と思ったかも知れませんが、言語聴覚士の場合は少し違います。
若手のほうが扱いやすく将来性があるので、定年を迎えたベテランより、新卒や若手を優先して企業は採用するのです。
考えてみれば当たり前です。
リスクを取って定年を迎えた言語聴覚士を雇用するメリットは、企業側にとってないんです。
というわけで、言語聴覚士が定年を迎えたら、少ない退職金と年金で生活するしかなくなるので、生活できないと言われています。
このような事実に気づいた新人さんが、辞めていく傾向にあります。
とはいっても、言語聴覚士の場合は、早い段階で転職すれば年収500万円~650万円は普通に行くので、正しい判断なんです。
20代でも稼げます。
「言語聴覚士は生活できない」は実際のところどうなのか
結論、「言語聴覚士は生活できない」は事実であり、嘘でもあるといえます。
なぜなら、将来的に生活できなくなる言語聴覚士もいれば、普通に生活できる言語聴覚士も出てくるからです。
言語聴覚士としての需要はなくなりませんが、人員が増え続ける影響で、特定のスキルを持ったSTに需要が集中すると予想されます。
ただ、数年以内など、すぐにそのような事態になる可能性は低いのでご安心ください。
10年後はわかりません。
また、筆者の病院では、生活できないと嘆いていた言語聴覚士やリハビリ職スタッフは、一人もいませんでした。
そのため、現時点では、言語聴覚士として生活できないなんて事態になる可能性は低いと思われます。
都心の大病院ならともかく、至って普通の地方の回復期病院です。
この事実からも、「生活できない!」と言っている人は無駄な出費が多いのではないかと思われます。
例えば以下の通りです。
- 無理して高い家賃を払っている
- 身の丈に合わない高級車を購入した
- 複数のサブスクに加入しているが使っていない
- 格安simを使わない
- コンビニに毎日行く
- ATMを使いまくる
- お金がかかる趣味をしている
上記のような感じです。
節約できるのにしていない、無駄な出費ばかりしているから「お金がなくなる」んです。
つまり、生活できないと言っている言語聴覚士は、「生活スタイルそのものに問題がある」可能性もあるといえます。
まずは、自分の収入と支出を見直したいです。
結婚についても同様です。
よく聞かれますが、言語聴覚士は普通に結婚できます。
詳細は、言語聴覚士は結婚と仕事両立できる?STは結婚できないといわれる理由でまとめているので、参考にしてください。
マイホームを購入して、子育てに勤しんでいる人もいました。
結局は、収入>支出にする努力をしているかどうかであり、言語聴覚士は本当に生活できないほどヤバいわけではありません。
生活できない言語聴覚士にならないための対処法3選
生活できない言語聴覚士にならないための対処法は下記の3つです。
共通しているのは、行動することです。行動しないと手遅れになります。
転職する
生活できない言語聴覚士にならないための対処法の1つ目が、転職することです。
なぜなら、同じ職場にいても給料が増えないからです。
言語聴覚士の給料は上がる見込み?【収入を増やす方法5選】でもまとめていますが、言語聴覚士が同じ職場にいても昇給はほとんどないためです。
自分の上司を見れば将来の自分がどうなっているかだいたい分かるので、「これは嫌だ!」と思ったら転職することをおすすめします。
では、どこに転職すればいいのかというと、訪問リハビリへの転職がおすすめです。
なぜなら、訪問リハビリにはインセンティブがあるからです。
インセンティブとは歩合制のようなものでして、働けば働くほど稼げます。
ピンとこないと思うので例を出します。
仮に、下記の条件だとします。
- 1件5000円
- 50件以降インセンティブ発生
訪問件数が月に100件だったとします。
51件目からインセンティブが発生するので、5000円×50件=25万円が、インセンティブとして給与に上乗せされます。
月給が30万円なら、そこに25万円が加わるので、月給55万円(年収660万円)になるというわけです。
実際に、病院を辞めて転職する言語聴覚士の多くは、訪問リハビリに行きました。
病院を含む、その他の事業所よりも圧倒的に稼げるためです。
訪問リハビリなら、20代で年収500万円超えも可能なので、将来を見越して早めに決断したいです。
求人には限りがあります。
副業する
生活できない言語聴覚士にならないための対処法の2つ目が、副業することです。
転職したいけどできない事情がある方は、副業を強くおすすめします。
なぜなら、副業すれば収入が増えるだけではなく、スキルが身につくからです。
収入源が増えることで安心感・安定感が増すのは、想像のとおりです。
ただ、副業によるメリットはそれだけではありません。
専門スキルが身につくので、言語聴覚士以外の職種も選べるようになるのです。
例えば、WEBライターです。
ライティングは、簡単なようで難しい副業なので、トップライターは年収10000万円超えも珍しくありません。
最初は副業として気楽に始めていた方でも、企業からスカウトされて専属ライターに転職した事例もあります。
副業についての詳細は、言語聴覚士におすすめの副業10選!【ST資格を活かす&在宅副業】でまとめているので、参考にしてください。
注意点も解説しているので、副業を始めようと悩んでいる方はぜひ読んでほしいです。
また、「副業禁止でできない…」とお悩みの方は、言語聴覚士の副業はバレる?副業禁止の会社を辞めずに稼ぐ方法もあわせてどうぞ。
副業がバレない理由と方法をまとめています。
もし、副業で即金性がほしいなら、言語聴覚士にしかできない副業(非常勤アルバイト)がおすすめです。
具体的には下記の通りです。
- 訪問リハビリ・看護のアルバイト
- 児童発達支援のアルバイト
- デイケア・デイサービスの機能訓練アルバイト
- 介護施設のアルバイト
どれも言語聴覚士の資格を活かした副業です。
時給は高めなので、月5万円程度なら難しくないでしょう。
非常勤アルバイトになりますが、求人サービスを使ったほうが、より好条件の求人を探せます。
スキルを磨く
生活できない言語聴覚士にならないための対処法の3つ目が、スキルを磨くことです。
なぜなら、これからの時代は「普通の言語聴覚士」があふれるからです。
下記は、日本言語聴覚士協会が公開している、言語聴覚士数の推移です。
毎年増加の一途を辿っていますね。
このままいくと、言語聴覚士の需要が供給を上回ります。
言語聴覚士としての需要はなくなりませんが、あなたが生き残れるとは限らないのです。
せっかく言語聴覚士免許を取れたのに、STとして働けないなんて嫌です。
では、将来的にどんな人が採用されるのかというと、専門分野やスキルがある言語聴覚士が必要とされます。
特定の分野に強い「スキル」があれば、確実に需要があるためです。
スポーツ選手がわかり易い例です。
彼ら彼女らは、特定のスポーツにおいて、特定のスキルがあるから「プロ」として認められています。
一般人がプロになれないのは当たり前です。
将来も必要とされる言語聴覚士になるために、今のうちからスキルを磨いておきましょう。
言語聴覚士の将来性は?生活できないSTは増える?
言語聴覚士の将来性がないとは言えません。
言語聴覚士の需要は、今後も保証されているためです。
高齢者のリハビリはもちろん、怪我の治療にくる患者さんが0になるわけがありません。
しかし、全員が全員、言語聴覚士として生活を送れるわけではないと言えます。
なぜなら、言語聴覚士の需要はあるものの、多くはないからです。
詳細は、言語聴覚士が少ない理由は需要のなさ?STの将来性を元人事が解説で解説してますが、元々需要が少ないから、言語聴覚士の数も少ないのです。
そのうえ、毎年のように言語聴覚士は増えているので、いずれは「供給>需要」になると予想できます。
そうなると、スキルがない言語聴覚士は採用してもらえないことになるので、全員が全員STとして食べていけるわけではないのです。
言語聴覚士の需要は尽きませんが、少ないパイの奪い合いになるというわけです。
では、どうすれば生き残れる言語聴覚士になれるのかというと、前章で解説した通り、3つの方法があります。
詳細は省きますが、転職して年収を増やすか、副業で収入源を増やすか、スキルを磨くしかありません。
おすすめは、いずれかを組み合わせることです。
転職して年収をアップしつつ、特定領域に特化してスキルアップするもよし。
副業を始めて、本業では扱えない専門分野に触れてスキルアップするもよし。
転職×副業×スキルアップのすべてに取り組めるなら、ベストでしょう。
また、副業に関しては、言語聴覚士に関係ないスキルを身につけられるというメリットがあります。
プログラミングならプログラマーとしてのスキルが、投資を始めれば投資手法というスキルなどがそうです。
副業のメリットは、言語聴覚士におすすめの副業10選!【ST資格を活かす&在宅副業】で解説しているので、参考にしてください。
副業で迷ったら、ブログをおすめします。
なぜなら、初期費用が安い(月1000円~)のに収入に上限がないからです。
WEBマーケティングスキルもにつくので、完全在宅で仕事もできるようになります。
何より、WEBマーケターは日本に不足しているので、将来性がある職種です。
ブログというと古臭く感じるかもしれませんが、トップブロガーは月収2000万円を超えるレベルですので、まだまだ古くないんです。
ブログについては、言語聴覚士に副業ブログはおすすめ?メリット・デメリットを解説を参考にしてください。
おそらく、ブログを始めたくなると思います。
言語聴覚士なら1年目、2年目でやめても余裕で転職できる
言語聴覚士なら、1年目や2年目でやめても余裕で転職できます。
根拠は、実際に僕が人事として、1年目や2年目、3年目で転職するSTたちを大勢見てきたからです。
転職理由のほとんどは人間関係と給料の安さでした。
今の職場で無理をしなくても、辛い思いをしなくても大丈夫です。
言語聴覚士なら、若手の需要はかなりあります。
まとめ|「言語聴覚士は生活できない」に抗えるのは自分だけ
言語聴覚士は生活できないと言われる理由について解説しました。
給料が安く、今後も上がらないことが大きな理由でした。
たしかに、診療報酬に依存するコメディカルの給料は上がらないと思われます。
しかし、給料を増やす方法は確かにありますし、やればできることです。
つまり、行動できた人だけが不安に打ち勝ち、将来も安定して稼げるというわけです。
同じ職場にいても、給料が増えることはほとんどありません。
- 「大変そう」
- 「やりたくない」
上記のように思うのはごもっともだと思います。
ただ、よく考えるべきではないでしょうか。
同じ職場でのほほーんと働き、「お金が足りない…」と不安と不満を抱えて定年を迎えるのか。
それとも転職や副業を始めて、きちんと対処するのか。
行動できた人だけが、不安に追われない、穏やかな生活を手に入れられるでしょう。
ヤバいと気づいて行動する人が増えると、ライバルも比例して増えるので、行動は早ければ早いほど良いです。
まずは、自分ができることから始めることをおすすめします。
今のうちから情報収集だけはしておいたほうが良いです。
今回は以上です。