作業療法士は就職が厳しいの?将来性が不安です…
「作業療法士はやめとけ」って言われているのは就職できないからですか?
現場の意見はどうなの?将来性があるのか教えて!
このような悩みを解決します。
今回は、「作業療法士は就職が厳しいわけがない」というテーマです。
本記事は、作業療法士を目指している学生さんか、現役作業療法士だけど将来が不安な人に向けて書きました。
最後まで読めば、作業療法士の就職事情や、将来性があるのかがわかるでしょう。
作業療法士の就職は厳しい?難しいわけがないといえる3つの理由
本記事の結論ですが、作業療法士の就職が厳しいわけがないです。
私は回復期病院で人事をしているので、作業療法士の採用や転職に関わる仕事をしています。
仕事を通して得たOTの就職が難しくないと断言できる根拠を、以下の3つにまとめました。
それぞれ詳しく、みていきましょう。
現場がすでに人手不足だから
作業療法士の就職が厳しいわけがないといえる1つ目の理由は、現場がすでに人手不足だからです。
理学療法士の採用はまったく苦戦しませんが、作業療法士と言語聴覚士の採用については、毎年大変な思いをしています。
地方の回復期病院(200床程度)だからかもしれませんが、ライバル病院を見てもOTとSTは人手不足という声が多いですよ。
また、高齢化とともに人手不足が深刻になると予想されているので、OTの需要は増す一方でしょう。
倍率の高い好条件求人出ない限り、職場は選び放題だと思ってください。
現在(2024年)は完全な売り手市場なので、作業療法士が就職で苦戦するわけがありません。
需要が高まる一方だから
作業療法士の就職が厳しいわけがない2つ目の理由は、高齢化とともに需要が高まる一方だからです。
以下は内閣府資料の引用ですが、全人口に対する高齢者率は2065年まで上がり続けることがわかっています。
よく聞くのが、「65~74歳の高齢者人口は、団塊の世代が高齢期に入った平成28(2016)年ごろがピークだから需要は減っていく」というものです。
確かにその通りですが、「需要が減る」という意見は、以下の通り内閣資料によって否定できます。
高齢者人口は、「団塊の世代」が65歳以上となった平成27(2015)年に3,387万人となり、「団塊の世代」が75歳以上となる37(2025)年には3,677万人に達すると見込まれている。
その後も高齢者人口は増加傾向が続き、平成54(2042)年に3,935万人でピークを迎え、その後は減少に転じると推計されている。
総人口が減少する中で高齢者が増加することにより高齢化率は上昇を続け、平成48(2036)年に33.3%で3人に1人となる。54(2042)年以降は高齢者人口が減少に転じても高齢化率は上昇傾向にあり、77(2065)年には38.4%に達して、国民の約2.6人に1人が65歳以上の高齢者となる社会が到来すると推計されている。総人口に占める75歳以上人口の割合は、77(2065)年には25.5%となり、約4人に1人が75歳以上の高齢者となると推計されている。
出典:内閣府(高齢化の状況)
高齢者の絶対数は減りますが、少子化の影響もあって高齢者率は上がり続けるので、OT(リハビリ職)の需要は減らないということです。
リハビリの患者は9割が高齢者なので、作業療法士という職業がなくなることは今後もありえませんね。
医療系国家資格は就職(転職)に有利だから
作業療法士の就職が厳しいわけがないといえる根拠の3つ目は、作業療法士は「医療系」国家資格だからです。
全国どこでも需要が見込まれていますし、OTのニーズが少なくとも今後30年はあることがわかったと思います。
職場を選ばなければ、どこでも安定して働き続けることが可能でしょう。
高齢者率が2065年まで上がると予想されている以上、作業療法士の就職が厳しいわけがありません。
OTが向いていないと思った方は、作業療法士を1年目で辞めたい…やめたほうがいい理由を人事が解説をご覧ください。
OTを続けるべきかわかります。
作業療法士の就職は厳しい?難しくないが給料は安い
作業療法士は将来性があり、就職は厳しくありません。
理由は上で述べた通りなのですが、現場は本当に人手不足であり、高齢化率とともに需要が増すためです。
総務省統計局にも、第2次ベビーブーム期(1971年~1974年)に生まれた世代が65歳以上となる2040年には、高齢者割合が35.3%になると記載されています。
リハビリのニーズがなくなることは、ほぼ100%ありえないので、作業療法士の将来性は高いといえるでしょう。
しかし、将来も必要とされるOTは限られてきます。
よりスキルや専門性を持った作業療法士に需要が集まるためです。
社会に求められるOTになる方法は、作業療法士に将来性はない?元人事が根拠を持って否定しますでまとめています。
今のうちから行動して、手遅れにならないようにしたいですね。
ちなみに、リハビリ職の給料はかなり低いです。
作業療法士の給料は、高齢化率に反比例して下がり続けることが予想されています。
なぜなら、リハビリ職の給料は診療報酬によって決まるといっても過言ではないから。
「激務なのに安い給料なんてやってられるか!」という怒りはごもっともですが、OTが嫌なら転職するしかありません。
作業療法士は就職が厳しい?就職よりその後が大事
ここでは、作業療法士は就職したあとが大事だよという話をします。
OTを目指している人、新人OTさんには、特に読んでほしいです。
作業療法士として就職することは何ら厳しいことではありませんが、給料が本当に安いです。
しかも、昇給昇進はほとんどないので、給料は全くといってよいほど上がりません。
この現実に直面した新人さんの退職願を何度みたことか…
あれだけ頑張ってやっと作業療法士になれたのに、給料が激安でほとんど上がらないってなんやねん…ってなりますよね。
では、OTが給料を上げるためにどうすればいいのかというと、方法は3つあります。
- 一般職に転職する
- 出来高制の職場に転職する
- 副業する
作業療法士が給料を上げるためには上記3つの方法しかありません。
OTが給料を上げる方法の詳細は、理学療法士と作業療法士の給料が安い5つの理由【給料を上げる方法は?】でまとめました。
人事としては、一般職への転職をおすすめします。
なぜなら、作業療法士としての希少性が高まり、キャリアアップを効率的にできるから。
半年などの短期間であっても、一般職を経験するメリットは3つあります。
詳細は、作業療法士から一般企業への転職がおすすめな4つの理由を人事が解説をご覧ください。
給料に不満があったり、将来が心配あったりする方は、読んでおくだけで不安が軽くなるはずです。
作業療法士を1年目や2年目でやめたい…転職してもいいの?
作業療法士を転職するといっても、年次によってどうしていいのかわからないと思います。
特に、1年目や2年目にとっては。
結論、作業療法士を転職するなら、1年目や2年目の方が有利なことも多いです。
なぜなら、若い作業療法士が不足していて、どこでも需要が確保されているから。
若い作業療法士は、採用コストがかかっても維持コストが安く、将来性があるので人気です。
だから、1年目だからとか、2年目だからとかで躊躇しなくていいんです。
むしろ、先に動いた方が給料が増えやすいですし、人間関係のストレスからも解放されます。
1年目~3年目の方でやめてもしてもいいのか悩んでいる方は下記も参考にどうぞ。
まとめ|作業療法士の就職は厳しくない
作業療法士の就職が厳しいわけがないというテーマでまとめました。
作業療法士は給料が安いので、転職する人が多いですが、非常に安定した職種ではあります。
自分が給料を求めるのか、安定を求めるのかによって、作業療法士が向いているのか、そうでないのか分かれそうですね。
最後にもう一度、本記事の内容をまとめます。
OTの就職が難しくないと断言できる理由は以下の3つでした。
- 現場がすでに人手不足だから
- 需要が高まる一方だから
- 医療系国家資格は就職に有利だから
OTの需要は高まる一方ではありますが、給料は安く、ほとんどあがりません。
作業療法士が給料を上げたいなら、以下3つの方法があります。
- 一般職に転職する
- 出来高制の職場に転職する
- 副業する
とはいっても、「いきなり転職なんていわれても…」ってなりますよね。
転職エージェントに相談すれば、あなたがどうすべきなのかはっきりします。
適性検査もできるので、本当にOTが向いているのかわかるいい機会ですね。
転職は嫌だけど、収入は増やしたい…という方は、副業がおすすめです。
OT資格を活かせる副業は、作業療法士におすすめの副業9選!注意点やメリット・デメリットも解説でまとめました。
転職か副業が作業療法士として生き残る道です。
自分に合った方法を選んでくださいね。
今回は、以上です。